絹織物の町・城端で、唯一無二のオートクチュールテイラー高松太一郎氏によるテーラリングを体感するプライベートツアー
コース概要
城端別院善徳寺の移転とともに開かれ、絹織物で隆盛を極めた町、城端。「民藝」で知られる柳宗悦が『美の法門』を執筆した土地でもあり、自然の恵みに感謝する精神性が今も色濃く残っています。
高松太一郎氏は背広の語源になったロンドン・サヴィルローで学び、PRADAやDiorのオートクチュール部門のアトリエでもテーラリング技術を発揮してきたテイラーで、男性向けと女性向けどちらのテーラリング技術も持つ唯一の日本人と言われています。
自身のブランドや作品制作に城端絹「しけ絹」を重用している高松氏。素材との出会いをきっかけに、自然と人がつくりあう風土に感銘を受け、独立の拠点としても富山を選びました。
本ツアーは、コンセプトや素材選び、トワルを使った型作りなど、参加者ならではの服をつくる体験を提供するものです。1日目はオートクチュールの工程の説明と今後の服づくりツアーの工程の落とし込み先である、その人向けトワル(服の型)の受け渡しから始まり、絹の織元や寺院など、土地のものづくりと精神性を伝える場所を訪問し、服づくりのコンセプトや素材について考えます。宿泊は築130年を超える伝統建築を再生したアートホテルで、併設のレストランでは高松氏との夕食会を。世界の一流メゾンで腕を振るってきた氏とのファッションとアートを巡る歓談をぜひお楽しみください。
2日目はツアーのクライマックス、オートクチュールのベースになる下地づくりを体験いただきます。1日目で参加者ご自身が集めてきたコンセプトや素材、モチーフなども使いながら、身体のクセや日々の動作、物事の考え方や好みなど様々なお話をうかがいつつ、オリジナルデザインの下地を高松氏が成形(※)し、デザインをおこします。通常はパタンナー、縫製師など3〜4名による仕事を一人でこなす氏だからこそできる、特別な体験です。
※実際に着用いただける衣服をつくるには下地の先の工程が別途必要になります。
- 所要時間:
- 1泊2日
- 催行日:
- 年末年始以外
- 集合・解散:
- 現地
- 移動:
- マイカー/徒歩
- 定員:
- 2名
- 予約:
- 7日前
- 料金:
- お一人様330,000円(税込)
DAY 1
文明3年(1471年)に建立された500年以上の歴史をもつ浄土真宗寺院で、蓮如上人の直筆類や法宝物を所蔵している。住職の高坂貫昭氏と棟方志功に親交があったことから、数多くの名作を所蔵展示していることでも知られる。光徳寺の裏山を散策中の棟方志功が突如激しい霊感をとらえ、寺に駆け戻って一気に描き上げたという大胆荘厳な襖絵「華厳松」は当寺でしか見られない。他にも歴代住職が収集した世界の民藝品を多数展示している。
戦国時代末期の天正時代、城端別院善徳寺がこの地に移ってきたことから始まったとされる、城端の絹織物。五箇山の生糸をタテ糸に、福光の玉糸(2頭の蚕が共同で1つの繭をつくった「玉繭」からとった糸)をヨコ糸に使用した「しけ絹」は、江戸時代には「加賀絹」として加賀藩に庇護され、隆盛を誇った。現在この「しけ絹」を富山県内で製織しているのは松井機業のみ。6代目の松井紀子さんが、その新たな使い方を提案するブランドを立ち上げ、ハレの日に使えるアイテムを提案している。
この地域には、民藝運動の創始者・柳宗悦が名付けたとされる、「土徳(どとく)」という言葉があり、厳しくも豊かな環境の中で、恵みに感謝しながら、土地の人が自然と一緒に作りあげてきた品格を言い表します。「楽土庵」は、その富山の土徳を体感していただく場となることを目指し、築約120年の「アズマダチ」の建物を再生した、1日3組限定のアートホテル、レストラン、ショップを備えた施設です(2022年10月開業)。宿泊代金の2%を「散居村保全活動」のための基金に充てるなど、地域再生にも取り組んでいます。
アートホテル「楽土庵」併設のレストラン。富山の豊富な海・山・里の食材を活かした富山ならではのイタリアンを提供しています。中でも、散居村で採れた酒米を使ったリゾットは、他では食べれない、イルクリマのシグニチャー・ディッシュです。 大阪あべの辻調理師専門学校のフランス校で教え、フランスやイタリアのレストランで修業した伊藤雄大がエグゼクティブ・シェフを務めます。
DAY 2
昭和3年に建設された城端織物組合の事務所は、公会堂機能を持つ市民の集いの場であり、客人を迎える迎賓館でもありました。その旧事務所を、城端絹の来歴を伝えながら、新しいものづくりが行われていく場として開放。写真展示室と2つの服飾ブランドのアトリエが入る複合ものづくり施設として2024年に再オープンしました。古き良き時代の空気を伝える建築空間にもぜひご注目ください。
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オリジナルアレンジも可。