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  • お知らせ
2021.11.09

「リトリート」から「リジェネラティブ」へ。 (株)水と匠が運営する宿+レストラン「楽土庵」、2022年秋オープン

「(一社)富山県西部観光社」のDMCである株式会社⽔と匠は、GRN株式会社と連携し、富山県砺波(となみ)市の美しい農村景観・散居村の地に、宿+レストラン「楽土庵」を2022年10月に開業いたします。

コロナ禍を経て、いま世界で注目され始めているのは、旅によって自己を癒すだけでなく、その旅が地域も癒し、再生へと向かうことに寄与する新たな旅のスタイル「リジェネラティブ(再生)・トラベル」。「楽土庵」が目指すのも、そうした、訪れる人とこの地域両方の「回復と再生」につながる宿です。

散居村の夕景

田園のなかに家屋が分散する稲作農村形態「散居村」。中でも、砺波平野の扇状地におよそ220k㎡にわたって広がる散居村は日本最大であり、一面が水鏡となる春から雪景色の冬まで、四季折々に美しい表情を見せてくれます。

この地域には、民藝運動の創始者・柳宗悦が名付けたとされる、「土徳(どとく)」という言葉があります。厳しくも豊かな環境の中で、恵みに感謝しながら、土地の人が自然と一緒に作りあげてきた品格を言い表しています。富山の散居村は、人と自然の共生から生まれる「土徳」の象徴。土地の水脈に沿って水路や田畑を作り、家を建てる。自然のグランドルールに則って作られてきた景観だからです。

かつて、この地を訪れた英国の陶芸家バーナード・リーチが、「世界にも類を見ないこの土地の美しさは、百姓によって生み出されている」と絶賛した富山の散居村は、しかしながら、その景観の維持が年々困難になっています。

改修前の楽土庵

「楽土庵」は、この散居村の中に建つ富山の伝統的な「アズマダチ」の古民家を再生して宿泊施設とすることで、訪れる人がこの土地の「土徳」に触れて自己の回復につながるとともに、その滞在の収益の一部が散居村や地域の伝統文化保全にも寄与する「リジェネラティブ(再生)・トラベル」を提唱します。

外観スケッチ

◼️「土徳」を体感する空間と工芸・アート作品
「楽土庵」は、三方を水田に囲まれた、築約120年の「アズマダチ」の建物を活かした、1日3組限定のスモール・ラグジュアリーな宿です。周囲の自然環境や歴史と切れ目なく繋がるよう、空間には古来からの自然素材(土・木・竹・和紙・絹等)が使われます。

芹沢銈介の屏風。1967年、アメリカ・ヒューストンで開催された「Japan Art Festival」出品作。

その空間に、芹沢銈介、濱田庄司、河井寬次郎ら、質の高い民藝から、唐や李朝の骨董、現代の工芸・アート作品までを設え、人が自然とともに作る「土徳」を空間やアート作品からも体感していただけます。

建築デザインは、タイムレスで上質な美しい空間づくりに定評のある「51% 五割一分(ごわりいちぶ」(富山・東京)が手がけます。

◼️土地の歴史・文化を伝えるガストロノミー
敷地内には、地域の海・山・里の食材を使って本格的なイタリア料理を提供するレストラン棟が新築され(席数:20席)、地元含め国内の工芸作家によるオリジナル食器が使用されます。

それらの食器や宿泊棟に設えられた作家の作品、富山の食・工芸品などを扱う「ショップ」も併設され、いずれも宿泊者以外のお客様にもご利用いただけます。地域食材の地消、作家作品や地元の伝統工芸品の購入も地域への還元につながります。

◼️リジェネラティブな体験プログラム
「楽土庵」を運営する(株)水と匠は、富山県西部地区を中心とした「観光地域づくり法人」であり、これまでも、富山の土徳を体感するツアープログラムを数多く提供してきました。

楽土庵でも、「茶道・華道のプライベート稽古」、「真宗王国・富山に根付いた仏教講座」、「地域の農家に学ぶ農業体験」など、お宿で楽しめるプログラムから、富山の伝統産業工房見学、海・山のネイチャー・アクティビティなど、お客様の自己回復につながる体験の提供と、その収益の一部を散居村保全に還元する仕組みを作ります。

自然や他者に感謝しながら積み重ねられて来た富山の営みは、サステナブルやウェルビーイングと呼ばれる現代の価値観と共鳴します。楽土庵はここ富山の地で、アートや工芸、食、体験プログラムを通じて「人と自然がともにつくる美」をいただく、普遍的で新しい滞在体験を提供します。


◉楽土庵 2022年10月開業予定
住所:富山県砺波市野村島645
客室数:全3室、レストラン:全20席
施主:GRN株式会社
企画運営:株式会社水と匠
設計デザイン:51% 五割一分
施工:松井建設株式会社
運営・広報協力:wondertrunk & co.
広報協力:liil合同会社

◉富山と民藝
板画家・棟方志功が、富山県南砺市で戦中・戦後の約7年間を過ごしたことで、柳宗悦はじめ濱田庄司、河井寬次郎、バーナード・リーチなど民藝運動を代表する作家たちがこの地を訪れ、作品を残しています。1948年、柳宗悦が富山の城端(じょうはな)別院善徳寺に逗留し、民藝思想の典拠となる論文「美の法門」を書き上げた、知られざる民藝ゆかりの地です。
棟方の作風や柳の民藝思想形成に大きな影響を与えたのは、富山の豊かな自然と浄土真宗の他力の教えが深く浸透する、この土地の精神風土だったと言われています。

※プレスリリース、宣材ビジュアルはこちらからダウンロードできます:
https://www.dropbox.com/sh/iei768svibbgvlo/AABfP6EaydHfdHRa0TzVStoFa?dl=0

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